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▼ ウォル様

来ました!USJ!到着と同時に子供たちはおおはしゃぎで既にわたしは体力不足を心配している。だが、横の大きな子供もはじめてのテーマパークに喜んでいるようで目がキラキラと輝いていた。

「飛空、飛茉。お約束ね?」
「勝手に走らない!」
「ママかパパかにぃにとおててつなぐ!」
「パパのファンの人に声かけられたら?」
「「こんにちは!」」

そう、今わたし達家族は飛雄くんの大阪遠征に同行して1日オフを使い家族旅行に来ていた。どこに行きたい?と聞くと2人は声を合わせてここと言うので連れてきたのだった。なんでもミニオンにハマってるそうで、2人は園内に入るや否や子供用のミニオンの被り物を飛雄くんに買ってもらっていた。ミニオンコーデをさせてきたので、服にもぴったりで可愛い。うちの子が1番可愛い。そんな親バカなことを考えながら歩いていると目の前にミニオンが歩いていてキラキラした目で訴えてくる子供達と目が合う。

「こんにちはしておいで」
「ひぃちゃん、にぃにと手つなご?」
「うん!」

ミニオンとハグしてる2人が可愛すぎて写真を連写してしまう。「今日の為にカメラ買えばよかったな」と飛雄くんに伝えると「また来ればいい」と飛雄くんも楽しんでいるようでよかった。御目当てのキャラクターと会えた2人はおおはしゃぎで、さっきからずっと2人で会話をしている。

「飛空くんのことギュってした!」
「ひぃもよしよしした!」
「可愛かったねぇ」
「ね〜!」
「飛空くんあれ乗りたい!」
「じゃあみんなで乗ろっか」

飛空が指差したのはスヌーピーの乗り物で、上下に浮遊するタイプのアトラクションだった。わたしと飛空、飛茉と飛雄くんで乗り込むと飛雄くんは狭かったようで足がかなり窮屈そうだった。乗り物が動き出すと飛空は「すごい!高い!お空飛んでる!」とはしゃいでいたが、飛茉は少し怖がってたそうだ。

クルーの方に記念写真をお願いして家族4人で写真を撮ってもらうと、どうやら昨日の試合を観に来てそのまま遊びに来てる人もいたようで何組かに声をかけられていた。飛空は飛雄くんのファンの方に声をかけられるのが大好きなので「パパかっこよかった?」「パパのこと好き?」とたくさん話しかけていてご機嫌で。飛茉はわたしの後ろに隠れながら小さい声で「こんにちは」と挨拶しており頭を撫でると嬉しそうにわたしを見上げてくる。わたしの後ろから飛茉が手を振るとファンの方も喜んでくれているようで、警戒しながらも手を振ってる飛茉が可愛い。

「お昼ご飯はここでーす!」
「恐竜さんだ!!!!」

子供達を連れてきたレストランは、飛空の大好きな恐竜モチーフにしたレストランで「かっこいいね〜!」と大喜びで連れてきてよかったなぁと飛雄くんと目を見合わせて笑顔になる。

4人でお肉料理を食べた後は、飛茉の順番。最近女子力というものが備わってきたのか、ピンクとかドレスとかリボンとかそう言うものに反応するようになっていた。子供向けのエリアにキティちゃんと会える施設があるとのことだったので、そこに連れてくると目をキラキラさせ喜んでくれていてわたしまで嬉しくなる。キティちゃんとの対面は泣くか固まるかの二択かなぁ、と予想していたが意外にも自分から抱きついて行きわたしと飛雄くんは驚いて目を見合わせていた。

「キティちゃんかわいかったね!」
「ひぃちゃんの方が可愛かったよ!」
「にぃにがおててつないでたからこわくなかった」
「じゃあにぃにとまたおててつなご」
「うん!ママとパパも!」

飛茉に促され飛雄くんとわたしも何故か手を繋いで歩かされる。恥ずかしくて飛茉の見えないところで手を離そうとしても飛雄くんが許してくれるわけもなくしばらく繋ぎっぱなしだった。
最後の目的地のミニオンのエリアに着くと、少し疲れていた子供たちも元気を取り戻しアトラクションに乗ったりミニオンと写真をもう一度撮ったりと大満足のようだった。

日が落ちる頃には子供たちもすっかり疲れていて、予定より早くホテルに戻ることにする。眠くてぐずってる飛茉は飛雄くんが抱っこしてくれていてとても助かっている。飛空はわたしと手を繋ぎながら今日の楽しかった話をずっと繰り返ししてくれ、本当に連れてこれて良かったなと思うのだった。
ホテルに到着すると、ホテルの中もこれでもかというくらいミニオンに彩られていて寝てしまっている飛茉は明日の朝起きてから喜ぶんだろうなぁ、とベッドに寝かせる。

「昨日も試合で疲れてるのにありがとうね」
「いや、こいつら喜んでるの見たら不思議と全然疲れなかった」
「ふふ、わかるかも。わたしもまだ元気!」

飛空は無理矢理お風呂に入らせて、パジャマに着替えた瞬間寝落ちていた。スイッチが切れたように寝てしまった飛空が可愛くて頬をつついてしまう。

「本当、どんどん飛雄くんに似てくるね」
「飛空?飛茉だって名前さんにそっくりだろ」
「飛空が彼女連れて来たら、飛雄くんに浮気されちゃう気分になるのかな」
「俺は飛茉を嫁にやる気はねぇ」
「それはダメでしょ」

笑い合いながら、コンビニで買って来た缶ビールで乾杯をして大人の時間を過ごすことにした。夜景を見ながら飛雄くんの肩にもたれて「幸せだなぁ」とこぼすと「俺も」と柔らかい声が聞こえて嬉しくなる。どちらからともなく目が合い、唇が重なる。手元のビールをベッドサイドに置きお互いを求めるように抱き合って何度もキスを繰り返した。多分この先も、飛雄くんのこと何回も好きになって何回も愛おしいと思って、ずっと一緒にいるんだろうなぁと幸せな気持ちになる夜だった。



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